雨漏りの原因を特定したい方や、具体的な雨漏りの調べ方を知りたい方に向けた記事です。
・雨漏りはどの様に調べれば良いのだろう?
・どの辺りを重点的に調べるべきか
・マンションでの雨漏れ原因をしりたい
この様な点について問題解決の助けになります。
それでは、さっそく読み進めましょう!
雨漏り箇所の見つけ方
雨漏りは建物の劣化やひび割れなどが原因で発生します。外壁や屋根の部分に穴が開いたり、瓦がずれたりすると雨水が侵入し、室内に水が滲んでくることがあります。実際に雨漏りが起こっている場合や疑わしい状況があれば、早急に原因を調査し対応することが大切です。調査方法には視覚的な確認、散水調査、ドローン調査などがあり、それぞれのメリットや注意点があります。以下では、これらの調査方法の詳しい内容やポイントを解説します。
視覚的な確認
まずは外壁や屋根に直接目で確認し、雨漏りが発生している可能性のある箇所を探す方法です。特に屋根瓦のズレや、ひび割れがあるかなどの視覚的な確認が重要です。また、外壁に亀裂やコーキングの劣化が見られる場合も注意が必要です。
この方法の利点は、直接目で確認できることから、迅速かつ手軽に行える点です。しかし、雨漏りの原因が内部構造であり、目で見えない場合もあるため、他の調査方法も併用することが望ましいです。
散水調査
散水調査は、外壁や屋根に水をかけて、室内で雨漏りが発生するかどうかを確認する方法です。水をかけることで、雨水がどのように侵入しているのか、どの部分が原因かを特定しやすくなります。
この方法は、実際に水が漏れる様子を確認できるため、正確性が高いとされています。ただし、散水調査は建物や周囲への影響を考慮しながら行う必要があります。また、雨漏りの発生箇所が複数ある場合や、雨漏りが発生する条件が特定の状況に限定される場合は、この方法だけでは正確な原因特定が難しいことがあります。
ドローン調査
ドローン調査は、空から建物を撮影して、外壁や屋根の状態を確認する方法です。屋根の上や高い場所にある外壁など、人が直接確認しにくい部分もドローンを使えば簡単に調べることができます。
また、ドローンには高解像度カメラを搭載しており、詳細な画像を撮影できるので、視覚的にはわかりにくい部分も確認できます。ただし、ドローン調査は風や雨などの天候に左右されるため、条件が揃った時に行う必要があります。また、専門的なスキルが必要なため、専門業者に依頼することが一般的です。
サーモグラフィー調査
赤外線サーモグラフィー調査は、雨漏りの原因を突き止めるために、建物の表面を赤外線カメラで撮影して、熱画像を解析する方法です。
雨水が浸入すると、その部分の温度が下がります。そのため、赤外線カメラで撮影すると、雨漏り箇所は周囲よりも色が濃く表示され、雨漏り箇所を特定することができます。
赤外線サーモグラフィー調査は、目視や散水調査では見つけにくい雨漏り箇所を発見するのに有効な方法です。また、屋根や外壁などの高所にある雨漏り箇所も調査することができます。
そのため、木造の戸建て住宅でもビルマンションでも、雨漏り調査の際に一般的に用いられる方法です。
ただし、赤外線サーモグラフィー調査は、あくまでも目視や散水調査を補助する方法であり、これらの方法と組み合わせて行うことが望ましいです。
また、天候や日射量、撮影面の方位、時間帯などによって、熱画像に影響を与える場合があります。そのため、調査を行う際には、これらの条件を考慮する必要があります。
ガス検査
雨漏りガス検査とは、雨漏り箇所から高圧のガス(炭酸ガスやヘリウムガスなど無害なガス)を注入し、そのガスが建物の外部に漏れ出てくる場所を探し出す方法です。主にコンクリート造の建物で雨漏り調査に活用される方法です。
ガスは空気よりも軽いため、雨漏り箇所から建物の外部に漏れ出てくると、建物の外部にガスの溜まりができ、そのガスの溜まりをセンサーで検知することで、雨漏り箇所を特定することができます。
ガス検査は、目視や散水調査では見つけにくい雨漏り箇所を発見するのに有効な方法です。
ガス検査の具体的な手順は、以下のとおりです。
- 雨漏り箇所の可能性がある場所に、ガスを注入する穴を開ける。
- ガスを注入する。
- 建物の外部をセンサーで検知する。
- ガスの溜まりを見つけたら、雨漏り箇所と判断する。
専門家がチェックする雨漏りが起こりやすい住宅7つの特定箇所
雨漏りの主な原因箇所は、屋根の瓦やスレート、外壁のひび割れ、窓やサッシ周り、バルコニー(ベランダ)などが挙げられます。ご自分で雨漏り箇所を調べる際は、以下の7つの箇所にポイントを絞って確認していきましょう!
1.バルコニー(ベランダ)
バルコニーは、一見すると単なる屋外の延長のように思えますが防水塗装のメンテンナスを疎かにしていたり、外部からの衝撃などによって、防水層が劣化したり破損したりすると、雨水が浸入して雨漏りを引き起こします。また、経年劣化によるコンクリートのひび割れや、壁との接合部の隙間から雨水が侵入することがあります。
2.屋根
屋根材が経年劣化や外部からの衝撃などによって、劣化したり破損すると、雨水が浸入して雨漏りを引き起こします。
また、屋根材と屋根材の継ぎ目や、屋根材と壁の接続部など雨水の侵入を防ぐための部材や工法のことを雨仕舞といいます。雨を受け流し雨樋などへ誘導する構造をいうのですが、その雨仕舞が不具合があると、雨水が浸入して雨漏りを引き起こします。
3.外壁
外壁が原因の雨漏りはシーリングの劣化です。外壁材と外壁材の継ぎ目や、外壁材と窓やサッシの接続部など、雨水の侵入を防ぐためにシーリングが充填されています。シーリングが劣化したり破損したりすると、雨水が浸入して雨漏りを引き起こします。
4.窓枠
窓枠からの雨漏りは、窓ガラスの破損、サッシの歪み、シーリング材の劣化といった原因で引き起こされます。
例えば、普段あまり行かない屋根裏部屋の明り取りのガラスが割れていて、そのまま放置していたところ、雨漏りが発生したり、住宅の傾きによりサッシに歪みが生じその部分から雨が侵入する事もあります。また、外壁と窓の継ぎ目部分のシーリング材の劣化も窓枠からの雨漏り原因としては多いです。
5.天窓
天窓は屋根に開口部を作って光の取入れに使用されます。開放感があり人気の設備ですが、長年使用すると雨漏りのリスクも顕著に表れることがあります。筆者で体験した例としては網入りガラスのひび割れが原因となったものです。また、不適切で基準が満たされていない天窓の設置はダイレクトに雨漏りにつながります。
6.雨樋
雨樋は、屋根から落ちてきた雨水を地面や排水管に排水するための設備です。雨樋が故障したり劣化すると、雨水が正常に排水されず建物内に侵入し、雨漏りを引き起こす可能性があります。雨樋の破損や、設置不良など原因になる事はありますが、最も大きな不具合は”雨樋のつまり”です。正常なルートで排出されない雨水は壁などにジャブジャブかかるようになり、壁のひび割れや弱ったシール材の部分から建物内に侵入します。そもそもの原因は外壁などになりますが、雨樋が正常であれば起こり得なかった雨漏りというケースですね。
7.出窓
出窓は、外壁よりも出っ張っているため、雨水が当たる面積が広くなります。また、雨水が流れ落ちる際に、接合部分に水が溜まりやすいという特徴もあります。そのため、コーキングの劣化や接合部分の歪みなどがあると、雨水が接合部分から侵入し、室内に雨漏りすることがあります。出窓は結露が発生しやすく結露の湿気により壁などが腐食し弱った状態は特にリスクが高くなり注意が必要です。
マンションで起こる雨漏りの原因
マンションで雨漏りが発生する主な原因は、屋根や外壁の劣化、窓やバルコニーの防水不良、排水設備の不具合などです。適切な対策や修理を行わなければ、建物全体に影響を及ぼすことがあるため注意が必要です。
最上階の雨漏り
マンションの最上階での雨漏りは、主に屋上の防水処理の劣化やコンクリートの割れが原因です。屋上の防水層は日光や気象条件により時間とともに劣化し、細かいひび割れが生じることがあります。これにより雨水が侵入し、屋上の防水層の劣化やコンクリートのひび割れにより雨水が侵入すると、天井からの水漏れや壁の湿気による損傷が生じる可能性があります。この状態は、壁の塗装の剥がれやカビの発生、さらには構造材の腐食などを引き起こし、建物の健全性に重大な影響を与えることがあります。また、排水設備の不備も雨漏りの一因となることがあります。
マンションの下の階
マンションの中間階や下階での雨漏りは、上階の水漏れや配管の問題が原因で起こります。浴室やキッチン、トイレなど床下に埋設されている、排水管や給水管の損傷による漏水が原因となっているケースが多いです。また、バルコニーの排水不良や外壁のひび割れから水が浸入することもあります。
まとめ
いかがでしたか?今回は雨漏りの調べ方とチャックするべき住宅の雨漏りポイントについてお伝えしました。
本誌を参考に雨漏りの原因を確認し、自分で修理する、または業者に依頼する、早めに判断し悪化を最小限に留めましょう。