猫がリビングや寝室のドアで爪とぎをするのは、猫を飼っている方にとってありがちな悩みです。
猫にとって爪とぎは本能であり、しつけでやめさせるのは困難です。また、大きな声で叱るのも、猫にとってストレスになってしまいます。ただ、「ドアがボロボロになるのは困る……」と悩んでいる方も多いでしょう。
そこで今回は、猫がなぜドアをカリカリ引っ掻くのか、原因や効果的な対処法について解説します。
猫がドアをカリカリ引っ掻く原因
猫がドアを引っ掻く原因は複数考えられます。ここでは、代表的な原因を4つ紹介します。
爪を鋭くするため
爪は狩りをするための大切な武器です。そのため、飼い猫であっても、狩りに備えて鋭くしておきたいという本能が備わっています。
鋭くとがった状態にしておくためには、爪とぎが欠かせません。ドアや壁などは、猫にとって爪とぎがしやすい場所と認識されやすく、日常的にカリカリと引っ掻くようになってしまうのです。
縄張りや強さを見せつけたい
猫は縄張り意識が強く、縄張りを主張するために臭腺から出る臭いをこすりつけるという習性があります。
臭腺は顔の周りや肉球に備わっており、臭いをつけるために行うケースがあるのです。
また、できるだけ高い位置で爪とぎをしようとする習性もあります。高い位置に自分の臭いをつけて、縄張りや強さを主張したいための行動だと考えられています。
転移行動
猫は転移行動の一つとして、ドアを引っ掻くこともあります。
猫の転移行動とは、ジャンプに失敗してどこかから落ちたり、多頭飼いでほかの猫とケンカして負けたりと、猫にとって悪いことが起きたときに本来とは関係のない行動をすることを指します。
転移行動をすることでストレスを軽減したり、気持ちを落ち着けたりする効果があり、転移行動の対象として行動をしている可能性があるのです。
かまってほしい
飼い主に対してかまってほしいことをアピールするために行っている可能性もあります。
過去に、ドアで爪とぎをしたときに遊んでもらえたり、おやつをもらえたりしてことを認識している場合などに起こりやすく、飼い主に対して何かを主張するために行動しているケースがあるのです。
飼い主は注意したつもりでも、「かまってもらえた」と認識しているケースが多い傾向にあります。
猫の爪とぎは本能!やめさせることはできない
さまざまな理由があるとはいえ、「大切な住まいを傷つけてほしくない……」と考えている飼い主の方もいるでしょう。
しかし、猫にとっては本能であり、生きていくうえで欠かせない行動です。そのため、大声でびっくりさせたり、無理にしつけたりしても、やめさせることはできません。また、本能を制限することになるため、猫にとって大きなストレスとなります。
飼い主ができることは、やめさせることではなく、快適な爪とぎの環境を整えて、ドアを引っ掻かないよう誘導することであると認識しましょう。
猫がドアをカリカリ引っ掻くときの対策
では、飼い主ができる具体的な対処法を見ていきましょう。
お気に入りの爪とぎを与える
ドアがお気に入りの爪とぎ場所になっている場合は、ほかに好む場所がないケースがあります。
ひとえに爪とぎといっても、以下のようにさまざまな種類があります。
素材:麻紐・段ボール・布など
形状:ポールタイプ・平なタイプ
置き方:床置きタイプ・壁かけタイプ・柱タイプ
このように、多種多様な種類があり、猫によって好みが分かれます。いろいろな製品を試してお気に入りを見つけてあげることが対策になる可能性があります。
爪を研いでいい場所を教える
素材や形状、置き方のほか、場所も好みが分かれます。
好みやすい場所:部屋の隅・飼い主から見える場所・ケージの中・柱 など
ドアのほかに、お気に入りの場所がある場合は、そこに爪とぎ場を設置してあげるのがおすすめです。猫の好みに合わせつつ、自然に誘導したりしていくことでドアに対する行動を抑えられるでしょう。
爪とぎ防止シートを貼る
いろいろな対策をしても効果がない場合、ドアに爪とぎ防止シートを貼るのも対策の一つです。
爪とぎ防止シートとは、猫の爪とぎからドアや壁紙を保護するフィルムのことです。張り付けることができ、表面はツルツルと滑る素材になっています。
こまめに爪を切る
猫の爪をこまめに切ることで、ドアをひっかかれても傷つきにくくなるのでおすすめです。
ただし、爪切りが苦手な猫も多く、無理やり行うのはおすすめしません。飼い主に対して敵対心を持ったり、道具を出すだけで警戒するようになったりしてしまいます。
1日1本切れたらよいという気持ちで、ストレスをかけないよう心がけましょう。
DIYで猫ドアを設置するのもおすすめ!
猫用のドアを設置するのもおすすめの対策です。
猫ドアとは扉や壁に穴を開けて設置する、猫専用の小型ドアのことです。猫が自由に家の中を行き来できるようになるため、ドアを開けっぱなしにする必要がなくなります。そのため、ドアを開けてほしいサインとして引っ掻いているときは、効果的な対策となるでしょう。
なお、猫ドアは以下の方法でDIYで設置可能です。
【準備するもの】
- 猫ドア
- 筆記用具
- のこぎり
- ドライバー
【手順】
- 既存のドアに、のこぎりで切り抜く範囲の印をつける
- 印に従って、のこぎりでドアを切り抜く
- 切り抜いたところに、ドライバーで猫ドアを固定する
以上の手順で、猫ドアを設置可能です。猫がドアを引っ掻いて悩んでいる方は挑戦してみてください。
まとめ
今回は、猫がドアをカリカリと引っ掻くときの原因や対策について解説しました。
猫がドアを引っ掻くのは、爪とぎの本能であるほか、ストレスやかまってほしいなど、さまざまな原因が考えられます。また、対処法もいくつかあるため、まずは原因を考えて、猫にとってストレスのかかりにくい対処法を検討しましょう。
また、猫ドアを設置するものおすすめです。DIYでも設置可能であるため、この記事を参考に、対策を進めてみてください。