擁壁(ようへき)とブロック塀の違いについて考える事があるとすれば、土地の購入時や実際に擁壁もしくはブロック塀の工事をする時、または工事代金を隣の住宅の方と持ち合う時ではないでしょうか?
普通に生活をしていると家の境界に立つ擁壁もしくはブロック塀についてそれ程意識する事はありませんからね。
本日は、そんなあまり気にはされないけど、実際にはよく理解出来ていない擁壁とブロック塀の違いについて学んで行きたいと思います。
それでは行きましょう!どうぞ。
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擁壁とブロック塀の違いは何?役割や特徴
ブロック塀とは
ブロック塀の主な役割は隣の土地との境界部分に設置し、見た目でここが境界地点です。と明確にする役割を持っています。
また、土地と土地の境界部分には特段の高低差がない事も特徴の1つです。
ブロック塀には目隠しの役割もあり、自宅の室内が隣人や通行人に見られにくくする事もブロック塀の設置されている目的と言えます。さらに、防犯としての一面も持ち合わせています。
箇条書きにすると
1.境界地点の役割
2.目隠しの役割
3.防犯の役割
4.隣の土地との段差が殆ど無い
この様な役割と特徴を持っています。
ブロック塀の設計
ブロック塀は基礎部分の根入れや鉄筋の径と間隔などが細かく決まっており建築基準法や日本建築学会の「コンクリートブロック塀設計規準」、「ブロック塀施工マニュアル」などで規定されています。
具体的な内容として、
・基礎を設ける事(ブロック塀の転倒がしにくい逆T字またはL字)基礎は鉄筋コンクリートである事
・塀の高さに合わせ鉄筋の径と間隔を基準に合わせる事
・ブロック塀の厚さは12cmまたは15cm以上である事
・鉄筋は縦、横方向80cm間隔で配筋する事
・控壁は3.4mごとに設け必ず塀の鉄筋とつなげる事
この様なルールが定められています。
住宅街や街中で見られるありふれたブロック塀にもこの様な規定のもと設置されているのです。ブロック塀の規定を巡っては、1950年、1971年、1981年、2001年と10年~20年を節目に建築基準法で改定されています。これは大きな地震や災害、事故により社会的にブロック塀の建築方法に厳しい目が向けられたからに他なりません。
擁壁(ようへき)とは
擁壁の主な役割は土留めです。隣の土地との敷地境界線に高低差がある場合に、擁壁を設置して隣の土地に土が流れ出さない様に擁壁でブロックします。その為、擁壁には次の役割が求められます。
土圧、水圧、自重により擁壁が壊れない事。
例えば擁壁で使用されているコンクロートが転倒したり基礎が滑る、沈下する事は擁壁としての意味がなくなりますので、それに耐えうる工法、材料を用いて設置する事になります。
擁壁の種類
擁壁の種類として、コンククリート擁壁、ブロック擁壁、石積み擁壁がありますが、住宅で使用する擁壁としてはコンクリート擁壁、が良く見かけられます。
1.コンクリート擁壁
鉄筋コンクリート(RC)擁壁と無筋コンクリート擁壁の2種類の擁壁があります。
コンクリート擁壁を使用する際は工場で既に作られて工事現場に運ばれるプレキャスト擁壁を採用するか、現場で実際に擁壁を打つ「現場打ち擁壁」があります。
プレキャストの場合は工場から現地まで大型の擁壁をそれなりの数運搬するコストが必要ですが、現場打ちの場合はその点のコストが削減できます。
ただし、現場で擁壁を打つ場合はやはり工期が長くなる事や仕上がり品質が一定ではない事が懸念点とされます。
2.ブロック擁壁
ブロック擁壁は、5メートル以上の高低差のある場所でも使用されます。住宅に使用されるよりも、住宅街にある公園や、駐車場との境界部分、施設やため池、この様な所で見かける事が多い擁壁です。
上記画像の様な擁壁です。
間知石(けんちいし)と言う素材が使用されており間知ブロック擁壁といわれます。
土圧、水圧を和らげるために水抜きパイプがあり擁壁の役割を維持します。
3.石積み擁壁
石積み擁壁は最近使用される事はあまりありません。
セメントで石と石を固めた構造のものは少しは強度が期待できるものの、コンクリートも入れられていない空洞の石積み擁壁は、擁壁と言って良い物なのか疑問が残ります。
コンクリートで石と石を固めた擁壁を「練り石積み擁壁」
コンクリートが無く石を積んだ擁壁を「空石積み擁壁」といいます。
まとめ
それでは、ブロック塀と擁壁の違いをまとめます。
ブロック塀は、実用的に境界の目印や、仕切り的な役割。
擁壁は、土留めとしての役割。
この様にすみ分けできると思われます。
ブロック塀と擁壁の事で検討しなければならない時は参考にして頂ければと思います。