こちらのページではガラスの修理・交換を行う際の目安になる費用を一覧で表示しています。ガラスが割れてしまって取替の為にガラス屋さんを呼びたいが、高額な修理費用を請求されないか心配されている方は、ザックリした金額の目安を確認しましょう。
地域性やそれぞれのガラス屋さんによって多少は前後しますが、全国対応のガラス屋で15年勤務した筆者が目安となる費用をお伝えします!
※ガラス代金+工事費などを含むe-業者調査データとなります。
透明ガラスの修理費用
以下の様な箇所で使用されているガラスです。窓ガラスとしては代表的なガラスです。
ガラスの厚みで料金も変わりますが、木製建具で使用されるガラスは2mmが多く、サッシの窓ガラスや掃き出しガラスでは3mmの厚みが使用されているケースが多いです。1枚モノのガラスでは、3mmか5mm以上のガラスが使われています。テーブルガラスでは5ミリ以上が使用されています。
透明ガラスが使われている所
- 窓ガラス
- 掃き出しガラスの上半分
- 食器棚のガラス
- 建具のガラス
ガラスのサイズ(mm)厚さ2mm | 相場費用 |
900×900 | 6,000円~18,000円 |
ガラスのサイズ(mm)厚さ3mm | 相場費用 |
900×900 | 15,000円~28,000円 |
900×1800 | 20,000円~35,000円 |
ガラスのサイズ(mm)厚さ5mm | 相場費用 |
900×900 | 17,000円~30,000円 |
900×1800 | 22,000円~38,000円 |
透明ガラスを画像で確認
1枚モノの掃き出し窓や、窓の中央に中桟(ナカザン)といわれるアルミの仕切りがありその上部が透明ガラスになっているケースが多いです。ガラスの厚みは3ミリが多く、5ミリもちらほら存在します。
型板ガラスの修理費用
以下の様な場所で使われているのが型板ガラスです。感覚的には透明ガラスと同じかそれ以上、ガラス割れで交換するケースが多いです。半透明のガラスで向こう側が見えないのでプライバシーを守りたい箇所で使用される事が多く4ミリと6ミリがあります。割れ替え作業では90%程度が4ミリの厚みとなります。
厚さ6ミリはルーバーガラスや玄関ガラスなどで使用されていることがあります。
型板ガラスが使われている所
- 中窓のサッシガラス
- お風呂や脱衣所のガラス
- 掃き出し窓の下半分
- 小窓のガラス
- ルーバー窓のガラス
ガラスのサイズ(mm)厚さ4mm | 相場費用 |
900×900 | 15,000円~28,000円 |
900×1800 | 20,000円~35,000円 |
ガラスのサイズ(mm)厚さ6mm | 相場費用 |
900×900 | 18,000円~28,000円 |
900×1800 | 25,000円~38,000円 |
型板ガラスを画像で確認
掃き出し窓の下半分や玄関ガラスなど室内が見られたくない部分に設置されています。霞ガラスや亀甲ガラスなど半透明は変わりませんが年代やメーカーによってガラス表面の凸凹が異なります。
スリガラスの修理費用
スリガラスは減少傾向で、以前は市営や公営団地などで多く使用されていましたが、最近建て直されているこれらの団地では型板ガラスが使用されているケースが多いです。
スリガラスが手垢などで汚れやすいガラスで和風の趣にはピッタリですが実用的ではないと個人的には思います。その一方で、透明ガラスの3ミリや型板ガラスの4ミリと比べ仕入れ原価は高めです。
スリガラスが使われている所
- 和室の室内建具
- 団地 掃き出し窓の下の部分
- 工場の窓ガラス
ガラスのサイズ(mm)厚さ2mm | 相場費用 |
900×900 | 12,000円~20,000円 |
ガラスのサイズ(mm)厚さ3mm | 相場費用 |
900×900 | 15,000円~28,000円 |
900×1800 | 22,000円~35,000円 |
スリガラスを画像で確認
スリガラスはツルツルした面と、汚れやすいガザガザした面があります。外側にツルツルした面を向けて、室内側にガザガザした汚れやすい面を向けるのが正しい設置方法になります。間違って逆にしてしまうと、ガザガザしている面に雨がかかると透明っぽく透けてしまいます。
型板網入りガラスの修理費用
網入りガラスには、透明型板ガラスと、今回紹介する「型板網入りガラス」の2種類があります。
さらに、それぞれ網の入り方によってそれぞれの名称が決まります。
・WKH(ダブル ケー エイチ)菱形に網目が入っており最も使用されている型板網入りガラスといえます。
・WKC(ダブル ケー シー)碁盤の目状にクロスに網が入っているカラスです。
・WKT(ダブル ケー ティー)縦に方向に均一に網が入っています。
価格はどのタイプもそう変わりがないです。
型板網入りガラスが使われている所
- マンションの窓の下半分
- 工場や施設や会社の窓やドアのガラス
- 防火設備として
- 飛散防止ガラス
ガラスのサイズ(mm)厚さ6.8mm | 相場費用 |
900×900 | 25,000円~35,000円 |
900×1800 | 35,000円~50,000円 |
厚さは6.8ミリが標準で高層階や特別な仕様でない限り6.8ミリが使用されています。私の経験では、厚さ10ミリの網入りガラスの施工経験は2度しかないです。どちらも高層マンションでした。
型板網入りガラスを画像で確認
写真は全てWKHとなります。
透明網入りガラスの修理費用
網入りガラスは、型板・透明どちらも防火設備として使用されていることが多くあります。地域により防火地域・準防火地域で建物を建築する際、開口部には延焼を防ぐ目的で基準をクリアした防火設備の設置が義務つけられています。
網入りガラスでは、この認定基準をクリアして設置されている商品が多くある訳です。
透明網入りガラスが使われている所
- マンションの窓ガラス(1枚もの)
- マンションの窓ガラス(上の部分だけ)
- 防煙垂れ壁のガラス
- 防火設備として
- 入口ドアのガラス
- 施設や店舗のガラス
ガラスのサイズ(mm)厚さ6.8mm | 相場費用 |
900×900 | 35,000円~40,000円 |
900×1800 | 40,000円~65,000円 |
透明網入りガラスを画像で確認
網りガラスと防犯ガラスを混同される方がいらっしゃいますが、基本的には防犯ガラスは下記で紹介する「合わせガラス」のことです。網入りガラスの目的はあくまでも飛散防止で、万が一割れてもガラス内部のワイヤーがガラスの滑落を防ぐことを目的としたガラスとなります。
ペアガラスの修理費用
最近の住宅では断絶性能を高める目的でペアガラスが使用されているところが殆どで、今後は断熱性能が一定の基準に満たない住宅の建築申請に許可が下りないと言われています。(2024年3月時点)
ペアガラスの目的は断熱性の遮音性、結露軽減など多岐に渡りますので窓リフォームの際はペアガラスを採用される方が殆どです。既存住宅の窓サッシでも設置できるリフォーム用ペアガラスもガラスメーカー各社から販売されています。AGCの「ペアプラス」やYKKapの「アタッチメント付き複層ガラス」などです。
ペアガラスが使われている所
- 住宅の窓ガラス
- 玄関ドアのガラス
- 保冷庫のガラス
- 内窓のガラス
ガラスのサイズ(mm)厚さFL3+A12+FL3mm | 相場費用 |
900×900 | 30,000円~45,000円 |
900×1800 | 40,000円~60,000円 |
ガラスのサイズ(mm)厚さlowE3+A12+FL3mm | 相場費用 |
900×900 | 35,000円~48,000円 |
900×1800 | 48,000円~65,000円 |
ペアガラスを画像で確認
ペアガラスには通常ペアガラスとLow-Eペアガラスがあります。Low-E仕様のペアガラスはペアガラスの内部側に特殊な金属膜がコーティングされており、さらに断熱性能を高める効果があります。お値段は少々高くなりますが、その分の価値はあります。
強化ガラスの修理費用
強化ガラスは、小学校や中学校の様な学校で使用されていることの多いガラスで、ガラスメーカー大手のAGCでは「スクールテンパ」という商品名で販売しています。
もちろん学校以外の場所でも広く使われており、商業施設や店舗など比較的人の出入りが多い場所に設置されます。
強化ガラスの特徴はなんといっても「強度」と「安全性」です。
強度に関しては、同じガラスの厚みの約3倍以上の強度を持ち、簡単には割れません。万が一割れてしまっても一般的なガラスの様に鋭利な割れ方はせず、粒子状に砕ける性質を持っています。お子さんが遊んでいてガラスを割ってしまっても、一般的なガラスよりも安全性が担保されているガラスといえます。
ペアガラスが使われている所
- 学校のガラス
- 商業施設のガラス
- 店舗ガラス
- 一般住宅の窓ガラス
ガラスのサイズ(mm)厚さ5mm | 相場費用 |
900×900 | 30,000円~40,000円 |
900×1800 | 45,000円~65,000円 |
強化ガラスを画像で確認
強化ガラスが理由もなく極稀に割れてしまう事があります。「自然破損」と言われる症状でこれは板ガラスの製造段階で発生するエラーが原因とされています。
具体的には製造時に不純物である硫化ニッケルという物質がガラス内部に微細な傷を発生させ、幾年か後に何らかの影響を受けて強化ガラスを割ってしまいます。
誰にも止める事ができない自然破壊ですが、現在では原因も解明され、商品として出荷される前にヒートソーク処理という過程で不良商品を事前に破壊し正常な商品のみ出荷される様に対策がされています。
合わせガラスの修理費用
合わせガラスとは、2枚の板ガラスに特殊なフィルムを挟み込み商品化しているガラスの事です。特殊フィルムにはいくつかの分類があり、防音性の優れたものは「防音ガラス」厚みを持たせ「防犯ガラス」、それらの基準に合致しない「飛散防止ガラス」などに分かれます。
これらのガラスを総じて「合わせガラス」と呼びます。
合わせガラスが使われている所
- 防犯窓ガラス
- 防犯ドアガラス
- 飛散防止ガラスとして
- 防音ガラスとして
ガラスのサイズ(mm)厚さFL3+60mil+FL3 | 相場費用 |
900×900 | 30,000円~40,000円 |
900×1800 | 45,000円~70,000円 |
合わせガラスを画像で確認
合わせガラスに使用されているガラスは一般的に板ガラスです。例え防犯ガラスといってもガラスそのものは割れてしまいます。ただし、ガラスに挟み込んでいる特殊フィルムを貫通する事が非常に困難なため、泥棒は諦めて退散してしまうのが狙いとなります。
まとめ
こちらのページではガラス修理の際によく使用されるガラスの種類を一覧として表示しました。
- 透明ガラスの修理費用
- 型板ガラスの修理費用
- スリガラスの修理費用
- 型板網入りガラスの修理費用
- 透明網入りガラスの修理費用
- ペアガラスの修理費用
- 強化ガラスの修理費用
- 合わせガラスの修理費用
全部で8種類です。
冒頭でも説明しましたが、ガラスの修理代金は地域やそれぞれのガラス屋さんによって異なりますので、まずは近くのガラス店2~3店舗に見積りをとる事が大切です。
「でも至急修理して欲しんだよね~」とお考えの方は、修理費用の下限を目安にし、高くても上限までに納まるガラス屋さんにご依頼する事を目指しましょう。値引き交渉など応じてくれるガラス屋さんも多くいらっしゃるはずです。
参考にされて下さい!