「ペアガラスは結露が発生しにくい」
などと聞いて住宅に設置したものの、冬になると結露が発生して悩んでいる方も多いでしょう。
ペアガラスだからといって結露が発生しないわけではなく、環境によってはできてしまうことがあります。
そこで今回は、ペアガラスで結露が発生する原因や対策について解説します。
<e-業者で見つかる!神奈川区のガラス(修理・交換)業者さん>
ペアガラスとは?
まずは、ペアガラスの仕組みや構造、よく比較される二重窓との違いなどを見ていきましょう。
ペアガラスの仕組みと構造
ペアガラスとは、二重構造のガラスで2枚のガラスの間に乾燥したガス(通常はアルゴンガスなど)を封入したものを指します。
ガラスそのものは熱を伝えやすい素材ですが、熱伝導率の低いガスを挟むことで、熱が移動しにくくなって高い断熱性を実現できます。
また、ガラスの縁には密閉されたシールが施されており、外部の湿気が内部に侵入するのを防いでいます。
ペアガラスと二重窓の違い
ペアガラスと二重窓はいずれも断熱性を高い窓であり、よく比較されますが、異なる特徴があります。
まず、ペアガラスは2枚のガラスの間にガスを挟み込んでいることに加え、ガラスの縁に密閉用のシールが施されています。
一方、二重窓は今ある窓はそのままにして、その窓の内側(室内側)にもう一つ窓を取り付け、窓が二重になったものです。
窓枠に2つの窓が設置されているもので、外窓と内窓の間に空気層が存在します。二重窓は設置が比較的簡単で、既存の窓の内側に追加する形で取り付けることができます。
ペアガラスはサッシと一体型のため、リフォームなどで設置する場合は既存の窓を撤去して設置しなければなりません。
このように、どちらも断熱性能を向上させる効果が期待できる窓ですが、構造が異なるため、特徴や設置方法、見た目に違いがあります。
ペアガラスでも結露が発生する原因
では、なぜペアガラスで結露が発生するのか見ていきましょう。
室内と屋外の温度差が大きい
空気に含まれる水蒸気が、窓周辺で冷えることによって、水蒸気が水滴に変化するため、屋外と室内の温度差が大きいと、結露が発生する原因となります。
とく冬は外気温が低く、室内が暖かいため、20℃以上の温度差が発生することも少なくありません。
温度差が大きすぎると、ガラス面の水蒸気が冷やされて結露が発生するのです。
室内の湿度が高い
室内の湿度が高いことも原因となります。
湿度が高いと、空気中に含まれる水蒸気の量が増えるため、乾燥した状態よりも湿度が高い状態の方が発生しやすくなるからです。
水蒸気量が多い状態の空気が冷たいガラス面に触れると結露として表れる仕組みです。
接着剤の劣化:内部結露
室内のガラス表面に発生する結露とは異なり、ペアガラスのガラス同士の間に発生する結露を「内部結露」と言います。
ペアガラスは、サッシの間の接着剤で埋めることで、ガスを封入して密閉状態を作っています。
しかし、経年劣化によって接着剤が劣化することで、密閉状態ではなくなり、空気が入り込んでしまいます。
そして、ガラスの間に入り込んだ空気に含まれる水蒸気が、温度や湿度の影響によって水滴とり、内部結露として現れるのです。
ペアガラスの結露を放置するリスク
「窓ガラスに結露が発生していても、気にならないから放置していても問題ないかな?」
と感じている方もいるでしょう。
しかし、放置するとさまざまなリスクがあるのでおすすめしません。では、具体的にどのようなリスクがあるのか見ていきましょう。
カビやダニが発生する
ペアガラスの結露を放置すると、窓周辺の湿度が高くなり、カビやダニの発生を招くリスクがあります。
カビやダニは高温多湿の環境を好むため、室内の温かいと結露が発生した状態は、繁殖に適しているのです。
カビやダニはアレルゲンとなり、呼吸器系の問題やアレルギー反応を引き起こすことがあります。健康被害を防ぐためにも発生したら早めに対処することが重要です。
住宅の寿命が縮む
結露を長期間放置すると、住宅の構造部分に悪影響を及ぼす可能性があります。
放置して湿った状態が続くと、木材や壁材が水分を吸収し、腐食や劣化が進行する原因となるからです。
住宅の構造躯体がダメージを受けると、住宅そのものも耐久性が低下したり、シロアリが発生したりすることにもつながります。
結果的に、修繕や改修のコスト高額になるため、大切な住まいを守るためにも、放置するのはやめましょう。
ペアガラスの結露対策
最後に、自分でできるペアガラスの結露対策を解説します。
室内の温度・湿度を管理する
室内の温度と湿度が高い状態は、結露が発生しやすいため、適切に温度・湿度を管理することが対策となります。
定期的に換気を行い湿気が室内に溜まらないようにする、除湿器を使用するなどして、40~60%程度の湿度を保つようにしてください。
また、屋外と室内の温度差も発生原因となるため、暖房や冷房を調整し、温度差を最小限に抑えるのがおすすめです。
結露対策グッズを使用する
結露対策には、専用のグッズを活用するのも選択肢の一つです。
たとえば、結露防止シートやフィルムを貼ることで、結露をキャッチしてくれます。そのほか、吸水テープや結露防止スプレーなどもあるため、用途に合わせて選ぶとよいでしょう。
窓ガラスを交換する
内部結露が発生している場合、自力で対策するのはむずかしいため、業者に相談して窓ガラスを交換するのがおすすめです。
より高性能なペアガラスやトリプルガラスに交換することで、結露の発生を防止できるだけでなく、断熱性・気密性を向上できて、より快適な住環境が実現できます。
費用はかかりますが、快適な暮らしを維持するためにも、窓ガラスのリフォームを検討してみるとよいでしょう。
ペアガラスを交換するときの費用相場
ペアガラスからペアガラスに交換する場合の費用は、ガラスの本体代と工事費用の合計で一か所あたり約5万円が相場となっています。
しかし、窓周辺の修繕が必要であったり、新しくペアガラス・トリプルガラスを設置したりする場合、サッシごと交換する必要があるため、10~20万円以上かかることも珍しくありません。
求める機能や予算に応じて、業者と相談しながらリフォーム内容を決めるのがおすすめです。
まとめ
今回は、ペアガラスで結露が発生する原因や対策について解説しました。
ペアガラスは断熱性が高く、一般的な窓と比較して結露が発生しにくくなっていますが、室内外の温度差や室内の湿度が高いといったことが原因で、結露ができる場合があります。
放置すると、カビやダニの発生、住宅の寿命が縮むなどのリスクがあるため、早めに対処することが大切です。