調光ガラスは一般的なガラスとは異なり、高機能でさまざまなシーンで活躍するガラスです。
家やオフィスのリフォームを検討している方のなかには、「調光ガラス」に興味を持っている方もいるでしょう。ただ、仕組みやメリット・デメリットを理解したうえで、導入を進めることが大切です。
そこで今回は、調光ガラスの仕組みやメリット・デメリット、取り付けるときの注意点などを解説します。
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調光ガラスとは?
調光ガラスは、スイッチを押すと透明なガラスが一瞬で白くなったり、ぼやけたりする機能を持つガラスのことです。
そのため、企業の会議室やバスルーム、自動車のサンルーフなど、「見える状態(透明)」と「見えない状態(不透明)」を切り替えたい空間に利用されます。
調光ガラスの仕組み
従来のガラスは見える状態を見えない状態のいずれか一方のみでしたが、調光ガラスがスイッチ一つで空間の見え方を変えられる画期的なガラスです。
調光ガラスはフロート板ガラスという2枚のガラスの間に、電気を通す中間膜で挟んだ液晶シートを入れています。そして、液晶シートのなかにある目に見えないカプセルの動きを電流で変えることにより、透明な状態と不透明な状態を作っているのです。
なお、電気を流すと液晶のなかのカプセルが整列してガラスが透明になり、電気を切るとカプセルの並びがランダムになって不透明になります。
調光ガラスのメリット
調光ガラスの基本的な仕組みについて理解したうえで、メリットを見ていきましょう。
プライバシーを守れる
調光ガラスは、シーンに応じて見え方を変えられることで、プライバシーを守れることがメリットです。
オフィスの会議室で、開放感やデザインを優先して透明ガラスを採用したものの、実際に会議をすると人目が気になるというケースも少なくありません。
しかし、調光ガラスなら、視線が気になるときだけ不透明にできるため、透明ガラスのメリットを受けつつ、プライバシーを守れます。
割れても安全
調光ガラスは、物や人がぶつかったり、地震が起こったりして割れたとしても、ガラス片が飛び散らないため安全であることもメリットです。
というのも、調光ガラスは特殊なシートを挟んでいることにより、割れてもガラス片が周囲に飛ばないよう設計されているからです。機能面だけでなく、安全性についても考慮されていることは、評価できるポイントといえます。
スクリーンとしても使用できる
調光ガラスを不透明な状態にすることで、ガラス面をスクリーンとして利用できることもメリットです。
一般的なガラスの場合、奥が透けているためスクリーンとして利用することはできません。しかし、調光ガラスなら、不透明な状態にすることで白い壁ができるため、ガラス部分をスクリーンとしても有効活用できるのです。
会議室などスペースが限られた場所で、空間を効率よく使えるのが魅力的なポイントでしょう。
調光ガラスのデメリット
高機能なことから、さまざまなシーンで活躍する調光ガラスですが、デメリットもあります。
ここでは、どのようなデメリットがあるのか見ていきましょう。
施工費用が高額
調光ガラスは一般的な窓ガラスとは異なり、高機能である分、施工費用が高額であることがデメリットの一つです。
先に解説したとおり、調光ガラスは電気のオン・オフによって透明・不透明を切り替えます。そのため、一般的な窓ガラスを設置する工程にプラスして、電気工事士による工事も必要となるのです。
一か所の窓ガラスを設置するのに、必要な工数や人時が増えることにより、自然の設置費用が高額になります。多機能であることは魅力的ですが、採用するときは十分な費用対効果があるのか検討しましょう。
故障したときは業者に修理してもらう必要がある
調光ガラスは構造が複雑である分、故障したときは専門業者に修理を依頼しなければなりません。
一般的な窓ガラスの場合、一時的にテープや段ボールで補強するなどDIYで対処するケースもありますが、調光ガラスは電流が通るため素人が直そうとするのは危険です。
また、災害で電気がストップしたときに、不透明になる機能を使えなくなることも認識しておきましょう。
調光ガラスを取り付けるときの注意点
調光ガラスは特殊なガラスであるため、電気工事士の資格を持った方に作業を依頼しなければなりません。
有資格者にしか設置できない窓ガラスとなる分、施工費用が高額になりがちであることが注意点です。また、複雑な構造をしているため、製品代自体も高額な物が多い傾向にあります。
調光ガラスは高機能ですが、本当に透明・不透明を切り替える必要があるのか、費用面も含めて検討しましょう。
調光ガラスよりも費用を抑えたいときはフィルムの貼り付けがおすすめ
調光ガラスは施工費用が高くなりがちであるため、「設置したいけれど、予算が合わない……」と悩む方もいるでしょう。
調光ガラスを設置する目的が、「プライバシーの保護」もしくは「ガラスの安全性向上」であれば、ガラスフィルムを貼るのも選択肢の一つです。ガラスフィルムは、既存の窓にフィルムを貼りつけることで、不透明にしたり、割れたときの破片を飛び散りにくくしたりする効果があります。
ガラスフィルムであれば、比較的安く購入できるものもあるうえに、DIYで設置することも可能であるため、予算が限られている場合でも採用しやすいといえます。
まとめ
今回は、調光ガラスについて解説しました。
調光ガラスとは、2枚のガラスの間に液晶と電気を流す特殊な中間膜を挟むことで、透明・不透明を切り替えられる特殊なガラスです。オフィスの会議室やバスルームなど、シーンに応じて周囲からの見え方を変えたい空間にピッタリのガラスです。
ただし、製品代が高額なうえに、電気工事士による施工が必要であることから、設置費用が高額になりやすい傾向にあります。
ぜひ今回の記事を参考に、調光ガラスの設置について検討してみてください。