今回は、コンセントを増設する場合に必要な資格と、DIYの工事手順をご紹介します。
新築の際にコンセントを設置しますが、実際に生活していると「もうひとつコンセントが欲しい!」と感じるケースはあります。ただ、業者に依頼すると費用がかかるため、できることなら自分で工事したいと思う人も多いでしょう。
本記事を読むことで、コンセント工事の具体的な手順を知ることができます。業者に依頼する場合の費用相場などもあわせてご説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。
コンセントの増設はDIYでもできるの?
コンセント工事というと、専門業者でないと対応できないイメージがあります。しかし、実際には一般の人でもコンセントを増設できます。ただし、必要なものがいくつかあるため、具体的にご説明しましょう。
必要な資格について
コンセント工事は業者でなくともできますが、資格は必要になります。コンセント工事は電気工事に分類されるため、「電気工事士」という資格が必要です。
電気工事士は第一種と第二種があり、いずれの等級を目指す場合でも実務経験は必要ありません。したがって、電気工事会社で働いた経験がない人でも、電気工事士を取得すればコンセントの増設に取り組むことはできます。
もし資格がないにもかかわらずコンセントの増設に着手してしまうと、電気工事士法における違法という扱いになるため、注意が必要になります。
作業に必要な道具について
コンセント工事に必要な道具は、工事の内容によって異なります。
仮に屋内の既存コンセントのすぐ近くに増設する場合、以下の道具が必要になります。
◎プラスドライバー
既存のコンセントの取り外しや、新たな場所にコンセントを取り付ける作業のときに必要となります。
◎ドリルもしくはカッター
何もない壁にコンセントを増設するにあたり、壁に穴をあけるためのドリルもしくはカッターが必要になります。
◎ケーブル
配線作業において必要になります。
◎差込形コネクタ
既存コンセントの配線を分岐させるにあたって必要になります。
◎パネルボックス
コンセントを構成する材料として、パネルボックスが必要になります。
◎カバープレート
コンセントを構成する材料として、カバープレートが必要になります。
ほかにも状況次第で必要な道具は出てくるため、一般の人が作業をする場合にはいろいろと買いそろえなくてはならないのです。
コンセント増設工事の手順を解説!
コンセント工事は一般の人でも取り組めるため、電気工事士を持っている人に向けてコンセントの増設手順を簡単にご紹介しましょう。また、ご紹介するのは「既存コンセントの近くに新たなコンセントを増設する(屋内配線)」工事になります。
◎コンセント増設工事の手順
1.ブレーカーを落とす(感電やショートのリスクがあるため)
2.手でコンセントカバーを外し、プラスドライバーではさみ金具のネジを外す
3.手でコンセント本体を取り外し、ケーブルごと引き出す
4.壁の穴に長い物(ものさしなど)を入れ、間柱などの障害物がないか確かめる
5.取り外したコンセントからケーブルを抜く
6.近くの壁にパネルボックスを当て、パネルボックスの形状に沿って鉛筆で目印をつける
7.目印に沿ってドリルまたはカッターで穴をあける
8.新たにケーブルを用意し、壁の穴から既存のコンセントの穴に向けて通す
9.パネルボックスを用意し、新たなケーブルを通した上で壁の穴に取り付ける。
10.パネルボックスに通したケーブルの先の被膜をはぎ、コンセントに取り付ける
11.コンセント及びカバープレートを壁の穴に取り付け、新設を完了させる
12.既存コンセントのケーブルと新たなケーブルを差込形コネクタで結線する
13.既存のコンセントを改めて取り付ける
大まかな流れとしては上記のようになります。既存のコンセントの配線を利用する形であるため、手順としては比較的簡単です。慣れていれば30分ほどで終了するでしょう。
ただし、既存コンセントの配線を分岐させる形でコンセントを増設しても、使える電力が増えたわけではありません。そのため、2つのコンセントで大きく電力を消費した場合、ブレーカーが落ちる可能性が高くなることを踏まえておきましょう。
業者に工事を依頼する場合の費用とは?
コンセント工事の種類にはいろいろあり、より多くの手順が必要な工事もあります。作業にあたって道具類の購入も必要になるため、業者に任せてしまうのもひとつの手段でしょう。
業者にコンセント工事を依頼する場合の費用相場は、5,000円~10,000円程度です。3,000円程度で工事が可能というケースもめずらしくないため、比較的安価であることがわかりますね。ただし、屋内ではなく屋外にコンセントを増設する場合は、10,000円を超えるケースが多いです。専用コンセントを増設する場合はさらに費用がかかるため、工事の内容によって差があるということですね。
工事の依頼にあたって押さえておきたいポイント!
信頼できる業者を選ぼう!
電気工事業者は多くありますが、すべてが優良業者なわけではありません。確実にコンセント工事を完了させるためにも、業者の信頼性をしっかりと見極めた上で依頼することが大切です。そこで、具体的なポイントをご紹介します。
◎電気工事業許可があるかどうか
電気工事業者として業務を請け負うには、電気工事業許可および登録が必要になります。許可や登録なく業務を請け負えば違法業者となるため、そのような業者に依頼すべきではありません。
◎電気工事の実績がきちんとあるかどうか
電気工事業者としての施工実績もポイントになります。多くの実績を積み上げている業者は、経験豊富で技術力が高いと判断できます。
◎高度な資格を持つ人材が在籍しているかどうか
電気工事に関連する資格は多くあり、高度な能力を持っていないと取得できない資格も存在します。具体的には、第一種電気工事士や第一種電気主任技術者などが挙げられます。優秀な人材が多い業者には高品質な施工が期待できるため、資格の面はぜひチェックしておきましょう。
必要な分のコンセントを増設しよう!
基本的に、コンセント工事はまとめて依頼したほうがリーズナブルです。ひとつを増設し、また別の時期に増設するよりは、一回の工事で2つのコンセントを増設したほうがお得ということです。そのため、将来的に必要になるであろうコンセントの数を踏まえた上で、まとめて依頼することをおすすめします。
まとめ
ご説明した内容を簡単にまとめましょう。
・コンセント増設工事に取り組むには電気工事士の資格が必要
・業者に依頼する場合の費用相場は5,000円~10,000円
・信頼性の高い業者に依頼することが大切
・必要な分のコンセントをまとめて増設したほうが効率的
コンセント工事はDIYでもできますが、電気工事士の資格が必要になります。また、工事の内容によっては手順が複雑であり、長い時間をかけて丁寧に進めなければなりません。電気工事ということで感電などのリスクもあるため、「資格はあるけど経験はない……」という場合には業者への依頼をおすすめします。コンセント工事というと高いイメージがありますが、実際には5,000~10,000円と安価です。経済的な負担にはなりにくいため、一度信頼できる業者に見積もりを依頼してみましょう。ただし、屋外用コンセントや専用コンセントを増設する場合には、比較的高い費用になることを踏まえておきましょう。